潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法
ーLCAP療法ー
についてご存知ですか?
血液、粘液便、下痢、腹痛などの症状が現れる活動期の
潰瘍性大腸炎に対する治療は、副腎皮質ステロイドホルモン剤など
による薬物療法が中心です。
しかし、薬物による充分な効果が得られない、あるいは効果が
減弱した患者さん、または薬物による副作用のため、に薬物療法に
支障が生じる患者さんがいます。
このような患者さんの治療に、これまでの薬物療法や手術療法とは
全く異なる療法、白血球除去療法(LCAP(エルキャップ)療法)が開
発され、これに用いる白血球除去療器が2001年10月に保険適用に
なりました。
潰瘍性大腸炎の患者さんで、重症・劇症および難治性の患者さんが適応対象となります。
潰瘍性大腸炎の起こる仕組み
潰瘍性大腸炎はなんらか
の原因により、白血球から炎症にかかわるさまざまな物質が放出さ
れ、それらが腸に炎症を起こすと考えられています。
白血球は顆粒球、単球、リンパ球、の3つに分けられますが、
この3つの細胞がすべて炎症にかかわっています。
潰瘍性大腸炎のLCAP療法とは
LCAP療法とは白血球除去療法の略ですが、これは血液を一度、
体の外に出し白血球を除去するフィルター
(セルソーバEX)を用いて炎症にかかわる細胞を取り除き、浄化さ
れた血液を体に戻します。
このように腸の炎症にかかわる細胞を取り除き、血液を浄化するこ
とにより、腸の炎症を抑える新しい治療法です。
LCAP療法の効果と副作用について
LCAP療法により潰瘍性大腸炎の主な症状である「血便」「腹痛」
などや、内視鏡的な所見である「潰瘍」などが改善されます。
潰瘍性大腸炎の活動期におけるLCAP療法の効果を示す有効率
は74%と報告されています。
LCAP療法の副作用については一般的に対外循環治療でみられる
一過性の吐き気、発熱、胸部圧迫感、頭痛などが
報告されています。
一方の肘または大腿の静脈から血液を一旦体外の循環回路に
取り出して悪さをする白血球を取り除いた後、対側の同じ静脈へ
戻します。
約1時間で2〜3リットルの血液をセルソーバEXに通します。外来、
入院のどちらでも受けることができます。
LCAP療法では使用するフィルターは炎症にかかわる
白血球(顆粒球、単球、リンパ球)を除去することが可能です。
下痢の原因となる刺激の強い食品意外はほぼ何でも食べることができます。
バランスのいい食事を心がけてください。
腸を安静にすることが大切です。必要なエネルギーの維持に気をつけて、たんぱく質を
中心に消化のよい食品を食べてください。腸を刺激する香辛料やアルコール、
繊維の多い食品などは避けましょう。また、魚以外の動物性脂肪に含まれる
多価不飽和脂肪酸は炎症にかかわる白血球を刺激すると考えられているため、
控えたほうがよいでしょう。
※必要なエネルギーを維持できない場合は栄養剤を投与したり、症状が重い
場合は入院して絶食した上で、点滴で栄養補給を行います。
おねかが冷えると下痢しやすくなりますので気をつけましょう。
風邪をきっかけに、潰瘍性大腸炎が悪くなることがあります。
冬から春の変わり目にモルモンや自律神経のバランスが失調しやすいので、再燃
しやすくなります。また、夏は体力を消耗しやすく、冬は風邪を引きやすいので、
再燃が多いという報告もあります。
ストレスにより大腸の血管が収縮し、大腸粘膜の血液が低下するため、再燃しや
すくなります。ストレスをためないように心がけましょう。休養をとることも大切です。